2008年11月20日
反郵政民営化論
国が現在保有している日本郵政株式会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の株式売却に関して麻生首相は、「株価が低迷(ていまい)している」ことを理由に売却を凍結するべきだ、とのコメントをしたそうです。低迷して困るのであれば民営化などしなければよかったのです。
また、「民間になった(郵政関連の)会社がもうかるような制度に、もう一回考え直す必要がある」と併せてコメントしたそうですが、民営化をしてもうからなくなって困ってるのであれば、ますます民営化などする必要はなかったのではないでしょうか。もうかろうともうかるまいと郵政のネットワークを国民のために活かさなければならないの訳ですから、何を考えているのか、全くもって理解に苦しみます。
政権の錦の御旗に唾するようなコメントを思いつきで言い放った訳ですから、漢字が読めないことよりも遙かに大きな問題だと思います。
少なくとも小泉内閣以降の自公政権は、「小さな政府論」を主張した際に、郵政事業は国が行うべきではない事業、言い換えれば、民間が行った方が「効率的」で国民の為になる事業であると認定したからこそ民営化を推進したのではないでしょうか。
そうだとすれば、この国は、タテマエは資本主義国家の筈ですし、株価が低迷しているから株を売れない、などというのは「民営化」する以上は株価が低迷することも織り込み済みでなければいけないことからして、政府が株を握っていることの理由にはなりません。
そもそも、「もうからな」いことで郵政事業に支障が出て、しかも、その支障が国民に悪影響を及ぼすのであれば、郵政事業は最初から民営化するべきではなかった、というのが当然の帰結ではないでしょうか。「もうからな」いけれども、国民のために必要なサービスなのだとすれば、国防や消防や医療など同様に郵政事業は税金で運用するべき「公共財」ということになります。
自民党の一部に、野党提出の株式売却凍結法案に同調する動きがあるそうですが、そうだとすれば、首相は即刻衆議院を解散するべきです。05年の総選挙は、言ってみれば郵政民営化だけが争点になった選挙であり、与党が郵政民営化に関してもたついているようでは、形式的に言えば、国民への背信行為になるからです。
いずれにせよ、麻生首相は、国家の役割をどのように考えているのか、是非一度聞いてみたいと思います。
写真は、今朝の市川駅です。今朝は冷えましたねえ…。
posted by 村越ひろたみ at 23:17| 政治放談