2007年11月15日

サブプライム問題

サブプライムローン問題が物議を醸しています。
サブプライムローンとは、所得や信用の低い人でも借りられる高金利の住宅ローンのことを指すそうですが、そもそも、どうして、高金利の住宅ローンが人気を博してきたかといえば、アメリカの住宅価格が値上がりし続けるだろう、という前提があったということからでしょう。

金融工学が発達したことにより、各金融機関がサブプライム債権を小口化・証券化して金融商品に加工し、機関投資家やヘッジファンドが巨額の資金をそこに投入してきたことで、様々な関連金融商品が世界各国に広がっていった、という流れです。

ところが、アメリカの住宅価格の上昇が頭打ちとなると、サブプライムの焦げ付きが急増し、関連金融商品の価格も暴落をし、それを保有していた金融機関が巨額の損失を抱える結果となった訳ですが、日本の金融機関もご多分に漏れず、野村やみずほなどが相次いで多額の損失計上を発表しています。

問題は、@サブプライムが細分化され多様な金融商品に織り込まれているが故に、損失の実態が把握できかねる、ということA低所得者層(本当の利用者)と富裕層(マネーゲーム参加者)の両極で焦げ付きが発生している、ということBリスクの過少評価があった、ということだと思います。

バブルは必ず弾ける、リスクは分散されても無くなる訳ではない、というのが我々が80年代から得た教訓なんでしょうが、経済のグローバル化(もはや死語?)が達成された昨今にあっては、リスク管理そのものが困難になってきているのでしょう。

常に、最悪を想定しながら最善の策を採っていく、というのが、リーダーのあるべき姿であり、リスク管理の要諦だと思います。サブプライムが如きは、最悪の事態を想定し難かった、ということになるのでしょうか。なんとも理解に苦しみますが…。


posted by 村越ひろたみ at 11:28| 閑話休題