2008年10月17日

ギャンブル経済につける薬

一説によると、いわゆるデリバティブ(金融派生商品)の市場規模は、約700兆ドルあるそうです。日本円に換算すると、約8京円。日本の国家予算にして約1000年分。サブプライムローン問題に端を発し、名門証券会社の破綻、世界同時株安へと至った今回の金融恐慌でこのうちのいくらのお金が泡と消えたのでしょうか。

投資を行う際に、手持ちの資金よりも大きな金額を動かすことをレバレッジ(てこの作用)と呼ぶそうですが、結果として本来の手持ち資金を超えてリスクが巨大になることは当然の道理です。冷戦が崩壊し、軍事技術に向けられていた世界中の知性が金融工学に注ぎ込まれた結果、様々な取引手法が発展しリスクの分散が極度に複雑化し、それらが暴走して世界バブルに至ったのではないでしょうか。なんとも地に足が着いておらず刹那的な気がします。

この問題は、もはや一部のお金持ちや投資家に限らず、実体経済全般に悪影響を及ぼしかねません。我が国が、長期的な視点で根源治療を考えるのであれば、食料とエネルギーの自給率を上げるあらゆる努力をし、ものづくりやバイオエネルギーなどの先端分野の重点支援を行っていくことで知的財産立国を図り、産業構造の転換を行っていくことを考えなければなりませんが、この局面を何とか乗り切るための対症療法的な政策も当然ながら求められています。

例えば、
@株式譲渡益の10%軽減税率を恒常化する。
A株式からの配当金を免税化する。
Bメガバンクへの資金注入を迅速に行う。
Cペイオフを当面の間解除する。
D時限立法により企業の交際費や接待費の損金算入を認める。
E設備投資に対する減税措置。
等が当面考えられるように思います。
金融システムへの「信認回復のため」に、主要7カ国が協調し公的資金を金融機関へ資本注入を行うことで合意した訳ですが、当然ながら、「レバレッジ」を効かせてマーケットに投資した金融機関や投資家こそが、そこから生じた損失を負う義務があるのだ、というのが資本主義の原則であり、罪のない納税者が彼らの尻ぬぐいをさせられるのが果たしてフェアなのかどうか、という本質的な論点も避けて通ることはできないでしょう。

私には外資系金融機関に勤めている友人が多数おりますが、彼らは一様に「仕事があるだけまだマシだ」という事を口にします。証券マンや銀行マンの方々にはもう一度、仕事に対する誇りを取り戻して頂いて、地に足のついた健全な金融市場の創造と発展に取り組んで頂きたいと切に願うところです。


posted by 村越ひろたみ at 16:03| 政治放談