2008年12月16日

悲喜交々

081216yawata.jpg

それにしても取材中の記者がやおら靴を脱いで次々に米国大統領に投げつけている映像には度肝を抜かれました。今年一番驚いたかもしれません。

ブッシュ大統領の異常に軽快な身のこなしや「靴のサイズは10だった」とのジョークが笑えるかどうかという事に関する論評はさておき、靴を投げた記者に対する賞賛の声が沸き起こって、記者を擁護するデモが起きたとかどうとかということばかりが報道されています。

ブッシュ大統領が身をかがめて二足目の靴をよけたことでそれが星条旗に当たったこと(一番象徴的な光景でした)や、ブッシュ大統領(≠大統領)の権威が一段と貶められたことに対しては不思議な程音沙汰が聞こえてきません。

国威や最高権力者の威信がブッシュ氏の失策によって失墜したことよりも、オバマ次期大統領への支持率や期待が異常に高いことの方が今となっては社会的インパクトが大きいということなのでしょうか。

去りゆく者の悲哀と物事が確実に流転している様を凝縮して見せつけられた気がします。


posted by 村越ひろたみ at 14:28| 無題