おかげさまをもちまして、野田内閣が順調に滑り出しました。世論調査で、軒並み高い内閣支持率が出ているばかりか、政党支持率も自民党を逆転しました。しかし、民主党政権が徳俵に足が掛かった崖っぷちの状態に立たされていることには変わりありません。前政権下で問題提起したものの道半ばになってしまっている税と社会保障の一体改革やTPP、円高・経済対策といった多くの課題を前進させることや、マニフェストの総括をどうするのかといった難行苦行を避けて通ることはできないからです。ここが最後のチャンスと捉えて、政権交代の原点に立ち返って地道な活動を徹底したいと思います。
震災からどうやって立ち上がるか、ということは、日本のグランドデザインを描くことそのものだと考えます。まずは三次補正予算で震災の本格的復興策をまとめることに尽きるのですが、その際、我々は価値観の転換を迫られているのではないか、と思うことがあります。永田町に通勤する際に、新規に建造したものの節電で全く稼働していない歩く歩道やエスカレーターを横目にすると、無くてもやっていけるようなムダ(足が不自由な方にはエレベーターがあります)をどれだけしてきたかと愕然とします。つまりは、物質的に恵まれていることが豊かさに直結する訳ではないことを多くの国民は震災を契機に痛感したのではないでしょうか。幼少の頃、電気を点けっ放しにしたり、醤油を必要以上に注いだりして、父からこっ酷く叱られたものですが、こうした物資が乏しかった時代の価値観や教育方法をこの際参考にするのも一案かな、と思います。
8月30日をもって、あの政権交代から丸2年が経ちました。衆議院の任期は最大で4年ですから、折り返し地点を過ぎたことになります。残りの任期を精一杯務めることでみなさまのご期待に少しでも多くお応えしていきたいと思います。引き続いての厳しくも温かい叱咤激励をどうかお願い申し上げます。