国会では、震災からの本格復興のための第三次補正予算の審議が佳境を迎えると同時に、TPP協定参加に向けた交渉に我が国が参加するのかどうかが一大争点になっています。関係団体・議員が入り交じって個別の利害や選挙区の事情に基づく感情的で政局的な言動や誤解に基づく議論ばかりが目立っていますが、あくまで日本の将来と国益を見据えて冷静かつ意欲的な議論を行うことが肝要です。
私は、当初から我が国はTPP参加に向けて準備を進めるべきだと考えています。グローバルやボーダレスという言葉が陳腐なものに聞こえるほど、人・モノ・カネが瞬時に世界を行き来する時代にあって、優れたサービスや技術、安心・安全で質の高い農産物を切り札として世界に打って出るべき我が国が、アジア圏における自由貿易体制の確立に向けて交渉・議論を避けて通るなどということは、およそ考えられないばかりか、国益を損すると考えるからです。
農業と言うよりも農業団体や農家を守るだけの農政を転換し農業改革の契機をつくり、貿易手続きを簡略化することで中小企業の海外展開を後押しする。そうしたことで国内経済の縮小に歯止めをかけ雇用を生み出すことができます。また、国際社会のルール作りに積極的に関与することは外交上不可欠です。鎖国的な外交、閉鎖的な商取引や内向きの発想が国の発展をもたらした例はありません。TPPの経済成長促進効果を念頭に大きな政治決断をすべき時がきています。
2011年11月10日
TPP交渉参加に向け冷静な議論を
posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談