2012年06月25日

一体改革関連法案の採決を前に

私は、自らの信念に従って一体改革関連法案の採決で賛成票を投じます。
多くの国民のみなさまが消費増税を容認できないとお考えになっていることは重々承知しています。だからこそ、我々政治の現場に身を置く者は、喜び勇んで消費増税を行おうとしている訳では決してありません。あくまで、この国の未来を真剣に考えた結果、社会保障と税の一体改革という難題の解決に向けた最初の一歩をここで躊躇してはならないと真剣に考え、ご批判を十分に踏まえながらもそれでも前に進まなければならないと覚悟を決めているからです。

今現在、私たちは、私たちの子どもたちや孫たちを連帯保証人にして膨大な借金をつくって生活している、そんな異常な社会に生きています。こんなことを放置してはいけません。次世代に負担を残さないように、直ちに健全財政に向けた大いなる努力を始めるべきです。家計が苦しい時に何が求められるでしょうか。支出を減らして収入を増やす努力を同時に行うことです。もちろん、当事者が身を削りムダを無くす努力は永続的に続けなければなりません。その上で、景気の動向を見守りながら景気が上向く努力をし、やむをえず増税をお願いして収入自体を増やすことが一番の近道なのです。

「増税の前にやることがある」といったスローガンを声高に叫ぶ人たちがいます。これは一見もっともらしいものですが、国の将来を真剣に考えての発言とは到底思えません。単なる問題の先送りであり人気取りのためでしかないからです。私は、今の社会の最大の問題は、先の見通しがきかない社会であること、そしてそこに「決められない政治」が覆い被さっていることだと考えています。ねじれ国会の下、たとえ歩みが遅くとも社会保障を持続可能なものに変革し、この際反対派と縁を切ってでも「決める政治」に転換していくことでしかこの難局を打ち破る方法はないと考えます。

我が党にも反省すべきところが多々あります。党内で手続きを踏んで決めたことに所属議員は従わなければなりません。途中、意見を戦わせるのは大いに結構なことです。けれども、決めた後に造反をちらつかせ条件闘争をするのはモラル違反です。これだけ重要な法案に対して、信念に従って反対をするというのならその方々は除籍を覚悟するべきですし党も厳罰で応ずるべきです。棄権した議員の対応も同様でしょう。そうでなければ、公党間で責任ある議論が出来るはずありません。将来の消費増税そのものよりも、こうした民主党の体たらくに嫌気がさしている方の方がむしろ多いのではないでしょうか。

我々がマニフェストでお約束した最低保障年金の確立や後期高齢者医療制度の廃止などの社会保障改革の中身や、2014年に一旦8%に消費税率を上げる際の前提条件となる景気条項などまだまだ議論をしなければならないことは残されています。こうした論点に関して極力丁寧な議論とそのご報告に努めて参る覚悟です。当分の間、民主党野田政権は将来の消費増税を決めた国民の敵と見なされるかもしれません。しかしながら、この決断は将来の「歴史の検証」に耐えうるものだと信じて止まないということを申し上げ、ご理解を賜りたくお願いを申し上げます。
posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談