2015年12月18日

軽減税率ではなく、給付付き税額控除を行うべき

 私は自民・公明両党が12月16日に決定した、消費瀬税の軽減税率制度には問題が多すぎると思っています。2017年4月の消費増税を前提とした上で、景気への悪影響を減らし痛税感を和らげ、社会保障財源を確保しながら持続可能な社会をつくる、という困難極まる課題に立ち向かうためには、さしあたっての低所得者層対策としては、軽減税率ではなく給付付き税額控除を行うべきです。

 私は、そもそも消費税の逆進性に関して懐疑的な立場です。ここでは詳しく触れませんが、ある時点での年収に占めるその時の税負担ではなく、その人の生涯収入に占める税負担で考えた場合、消費税はむしろ公平性が高い制度だと考えます。高所得者がヨリ多くの消費を行いヨリ多くの消費税を納め、低所得者がヨリ少ない消費をしヨリ少なく消費税を納めるのだとすれば当然の原理です。

 それはともかく、何よりも問題なのは、軽減税率は低所得者対策であるとの建て付けですが、その効果は極めて限定的で所得再分配が望めないということです。家計支出において最初に削減対象となるのはどこの家庭でも食費です。軽減税率は当然ながら高所得者にも適用されますが、高所得者はより多くの飲食をします。そうだとすれば、高所得者がより多くの恩恵を受けることになります。これでは本末転倒です。

 線引きに関する説明がわかりにくいところも問題です。苦肉の策なのでしょうが、トレーにのっている食料品が余分に課税されて、それ以外が課税されないというのは不明瞭です。印刷物の中で、新聞だけが対象外なのも不可解です。欧米では活字文化を守るために、広く印刷物が対象になっていますが、宅配の新聞だけが対象となるのは、メディアからの批判をかわすためと言われても仕方がないのではないでしょうか。

 日本経済を支える中小企業の現場が、税率が複数になることによって混乱することも明らかです。実務家からすれば、制度はわかりやすく例外が少ない方が良いと決まっています。複雑で不明瞭な制度は仕事の能率を著しく下げるばかりか大幅なコスト増を招きます。税理士会を初めとした多くの団体が軽減税率導入に反対している中で、現場のご苦労にもっと耳を傾けるべきではないでしょうか。

 代替財源の議論が皆無であることも問題です。本来、消費増税は社会保障財源に充てることが公約でした。財源が減るのなら、サービスを削るか、再増税で賄うのか二つに一つです。1兆円の税収減をどうするのか、不都合な話が先送りにされています。自民党の心ある幹部が、口々に批判的なコメントを出していることが実情を物語っています。これでは自公連立政権が参議院選挙対策のバラマキを行っていると言われても反論できないでしょう。

 税金は安い方が良いというのは共通のホンネです。けれども、個人が独りでは生きていけず、互いに助け合わなければならないとすれば、所得応分の税負担をお願いした上で、痛税感を和らげるような制度設計が求められます。日本の将来を真剣に考えるのであれば、負担を子どもたちに押しつける愚行は止めるべきです。厳しい現実を見据えながらも希望のもてる政策を我々は語るべきで、次世代育成支援や女性の活躍支援などの人への投資をもっと深めたいと思います。
posted by 村越ひろたみ at 23:08| 政治放談

2014年12月10日

貧困の世代間連鎖

 子どもたちの成長に家庭環境が大きく作用することがあります。記事にあるように、栄養ある食事を摂取できずにライフラインが止まってしまう。こうした環境では学校の勉強に取り組むことは困難です。その結果、学力低下を引き起こし、中退や中卒・高卒と就労に大きく不利となる状況に陥ってしまいます。低学歴は不安定な就労につながります。貧困状態が次の世代の貧困を生みます。生活保護受給世帯で育った子どもが生活保護を受給する割合は約25%と高くなります。貧困の連鎖を断ち切るには包括的な支援が必要です。まずは、子どもたちの生活の質の向上。そして、子どもたちの教育機会の確保が重要です。

 いま、子どもたちの教育機会確保のために全国各地で無料学習支援(無料塾)が増えています。主に生活保護世帯の子どもで、学校の勉強についていけない高校進学を控えている子どもたちが通っています。中心になっているのは大学生のボランティアです。年齢の近い大学生が子どもたちと接することで、子どもたちと良い関係を構築することができて勉強にも力が入るそうです。子どもたちと良い関係ができると、雑談の中から子どもたちの家庭環境が垣間見え「毎日カップラーメンしか食べられない。」「今日家に帰っても食べるものがない。」といったように日々の食事にも困る子どもたちが多いことが浮き彫りになってきます。

 子どもたちへの教育の機会の提供の前に、食事の提供など生きていく上で最低限の環境を保障から始めなければなりません。貧困状態に陥ると、最初に食費が削られてしまいます。「あさやけ子ども食堂」(http://toshimawakuwaku.com/asayake.html)というNPOでは地域の個人宅を開放し、地域住民と子どもたちで食事を食べる場所を開設しています。子どもたちの成長のための機会の平等を社会全体で担保していく取組は極めて重要と考えます。こうした先進事例をしっかりサポートしていていきます。
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posted by 村越ひろたみ at 00:43| 政治放談

2014年12月07日

夢すら持てない子どもたち

一般的に豊かと言われる日本にも、貧困状態におかれている子どもがたくさんいます。2014年7月に厚生労働省が発表した『国民生活基礎調査』によると、18歳未満の子どもの貧困率は16.3%と過去最悪の数字になりました。学校のクラスの10人に1人は貧困に喘ぐ子どもという計算になります。食事は給食の時だけしかとる事ができず、空腹でよるも眠る事ができない。毎日同じ服しか着ることができず、まして制服を買う余裕などない。さらには、電気や水道などのライフラインですら止まってしまう。

このような過酷な環境で生きる子どもが日本にも数多く存在します。また、お金がないために、やりたいことや将来の夢を諦めなくてはならなという側面もあります。高い学費を払えず、行きたい学校に行けない。部活動の道具も揃えられないため、好きなスポーツも断念する。必要最低限のお金がないことで、子どもたちは夢を持つ事すらできなくなります。

虐待や育児放棄など子どもを大切にできないのは、保護者だけが悪いのではありません。保護者自身も、一人で子育てをしたり、仕事をいくつも掛け持ちしたりすることで、必身体的にも精神的にギリギリの中、必死に生活しています。子どもたちは生まれてくる環境を選ぶことができません。だからこそ、どのような家庭や地域で育っても、平等に機会を与えられる日本であるべきです。最低限の生活の保障と生きていく「希望を持てる社会」の実現が必要です。まだまだたくさんの課題があります。こうした子どもや保護者の生活を少しでも向上させることを少しずつですが、取り組んでいきます。

posted by 村越ひろたみ at 09:33| 政治放談

2014年03月11日

東日本大震災から3年経って

東日本大震災から3年が経ちました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともにご家族を亡くした方々、未だに故郷に帰ることが出来ていない方々に心よりお見舞いを申し上げます。3年前の3月11日14:46分当時、私は議員会館の事務所で来客対応をしていました。大きな揺れに驚き事務所内の人員をどのように退避させようかと考えるばかりで、東北に巨大な津波が押し寄せ、福島の原子力発電所で悲惨な事故が起きるとはよもや考えもしませんでした。その後、連日事務所に泊まり込んで、帰宅難民の支援や浦安を計画停電の指定区域から除外してもらう作業に走り回った記憶が甦ってきます。

しばらくして議会の仕事が復旧対応一色になり、液状化対策ワーキングチームを立ち上げ、復興特別委員会で東北の被災地を廻る活動に明け暮れましたが、常に頭から離れなかったのはは液状化被害で泥水と砂だらけになった浦安の街のことでした。さしあたって国全体どうするかという事に集中できたのは、ひとえに地元のみなさまの暖かい後押しがあったからこそと今でも感謝しています。液状化の被害には苦しめられているのだけれども所詮は生き死にの問題でないので東北のことを最優先でやってくれ、というような激励を沢山頂きました。これこそ利他精神そのものではないでしょうか。

浦安では市長のリーダーシップと市民のみなさまのご協力のお陰さまで急ピッチで復興が進んでいます。間違いなく浦安はそのブランドを取り戻せると確信しています。また、市川でも放射性物質汚染のホットスポットが危惧されましたが、これも早急な対応のお陰で市民生活は平穏を取り戻すことができました。十分だったかどうかは市民のみなさまのご判断を待つばかりですが、これらの仕事に少なからず関わることが出来たのは良かったと思っています。もちろん、やるべき課題は国でも地元でも沢山残されているので継続して取り組みたいと思います。

復興を考えることは、とりもなおさず日本のグランドデザインをどう描くかということです。しかし、東北につぎ込まれている復興予算が将来の防災のために適切に用いられているか、国のエネルギーをどうするのか、ハッキリしないところがあります。野党の立場になりましたが、建設的な意見をし続けなければならないと思いを新たにしています。とりわけ、これを機に脱原発をどうやって進めるかということは再び活発な議論をしなければなりません。それなくしては被災された方々に申し訳が立たないと強く思う次第です。
posted by 村越ひろたみ at 15:11| 政治放談

2014年03月05日

アベノミクスの間断無き検証を

安倍総理が就任して1年強が経ちました。政治の重責のひとつが先の見通しのきく社会をつくることにあるのだとすれば、景況感がなんとなく良くなった気がするという点でアベノミクスがもたらしたインパクトは大きかったと思います。しかし、アベノミクスが正しい政策だったのか足をひっぱる意味ではなく健全な視点で監視をし続けなければいけないと考えます。

問題はアベノミクスが当初の目的を果たしていないということです。アベノミクスの狙いは、円安に誘導することで輸出分野を復活させ、製造業の空洞化を阻止するということにあったはずです(第一の矢)。しかしながら、輸出は数量ベースで停滞したままで空洞化に歯止めはかかっていません。経済は消費と投資と輸出を合わせたものですから、経済成長の度合いはそれぞれの増加分に左右されます。輸出が伸びず、消費も増税前の先食い分だけで期待ができないとなると、自民党お得意の公共投資の出番となります。昨年の名目成長率1%達成に最も貢献したのは13%も増やした公共投資です(第二の矢)。しかし、公共投資に大盤振る舞いして有効需要を創出する方法が財政赤字という負の遺産をもたらすことを忘れてはなりません。

大事な事は、成長戦略の中身をどうするか(第三の矢)ということに尽きると考えます。横道に逸れますが、2020年の東京オリンピックに向けてどのように選手を育成すればよいかということに関して、スポーツジャーナリストの二宮清純氏が興味深い発言をしています。すなわち、トップの選手におカネをかけることよりも、競技者全体の裾野を広げる視点が一番大事であり、メダル獲得に近道はないとのことです。この話は大変示唆に富んでいると思います。経済財政政策に関しても同様の事がいえるでしょう。対症療法的政策を繰り返すばかりではなく長期的な視点に立って日本の産業構造を転換し、技術革新を促進するための次世代育成支援に力点を置きつつ財政赤字を減らす努力をするということだと思います。

脱原発を成長戦略の中心に据え着実に進めることで再生可能エネルギーを一大産業に育てて新たな雇用を生み出す、また、農地や農家を守るための農政ではなく日本の食の安全保障を担保するためにも農業を産業化することが不可欠だと考えます。公共投資ばかりではなく子育て支援や教育に力を入れ、国民の将来の不安を払拭するための長期的なビジョンをもって経済政策を考えるべきではないでしょうか。
posted by 村越ひろたみ at 15:11| 政治放談

2014年01月29日

千葉都民のための東京都知事選

東京都知事選の投票日が今度の日曜日に迫っています。しかし、その重要度からすれば盛り上がりに欠けているような気がします。よく言われることですが、都のGDPはオーストラリア並みでメキシコや韓国を上回る規模を誇ります。市川・浦安市民からすれば、日中は東京に出ていることで都の税収に大いに貢献している方がかなりいることからして対岸の出来事と捉えるべきではなく、一票くれとまでは言わないが意見を言わせてもらってもバチはあたらないだろう、と考えるべきだと思います。

首都の有権者の意思とその首長の動向が国の方向性に重大な影響を与えることは言うまでもないことですが、なにしろ争点がぼやけてしまっている気がしてなりません。脱原発は重要なテーマですがそれだけでは都民を納得させることはできないでしょう。オリンピックを成功させるということにしても2020年以降はどうする?ということになるでしょう。少子化・高齢化に加えて都心に人口が集中し周辺部が過疎化していくなかでの災害対策や次世代育成支援、高齢者への配慮を含めた持続可能な首都づくりのためのビジョンこそが問われているに違いありません。応援団ばかりが全面に出ている候補者や売名目的の立候補とも受け取れる候補者、三強とそれ以外の有象無象というようなマスコミの取り上げ方には違和感を持ちます。

これを機に千葉に住んでいるけれども日中は東京で活動している人=千葉都民が都政を真剣に考える機会をもっと持つべきだと考える次第です。
posted by 村越ひろたみ at 15:11| 政治放談

2014年01月03日

新年を迎えて

新春のお慶びを申し上げます。政権交代、つまり我々が野に下ってから1年が経ちました。
民主党に対する厳しいご意見をお聞きして参りましたがまだまだ信頼回復にはほど遠い状況です。
出直しを図る準備が完了していないからだと重く受け止めています。
政治には野党の存在が欠かせませんが、野党は与党の足を引っ張るのではなく、
多くの有権者の声を代弁した改革を打ち出し続ける存在でなければならないと思います。
農業や労働分野、教育や子育て支援など自民党では改革しきれない政策群が沢山あります。
また外交政策や国民の権利に関することなど自民党とは異なる哲学を採用するべき分野もあります。
そうだからこそ民主党が頑張らなければならないと考えています。
再びみなさまからの信頼を取り戻せる日まで地道な活動を続けていく覚悟です。
 昨年は英国と米国に政府招待で出かける貴重な機会を頂きました。
この浪人期間中にしっかりと力を蓄え再びみなさまのお役にたてるよう頑張る覚悟です。
本年も厳しくも暖かい叱咤激励を頂きますようお願い申し上げます。

写真:ダウニング街10番地(イギリスの首相官邸)に入りました。中の様子をお見せできないのが残念です。
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posted by 村越ひろたみ at 15:11| 政治放談

2013年04月22日

党の原点に立ち返り、未来に責任を持つ政治を

安倍内閣が高い支持を集めています。与党を経験し政府の一員として活動をした経験からもほぞを噛む思いです。官僚機構との付き合い方、メディアへの打ち出し方、スピード感など民主党政権3年3ケ月の間に出来ていなかったことばかりです。さしあたり、アベノミクスの三本の矢が、三本目の成長戦略を除いてまっすぐに飛び始めている今、改めて反省ひとしきりです。

多くの同志が下野をし残った仲間も存在感を示せずにいるなかで、我々がやらなければならないことは、自民党政権の足を引っ張ることではなく、この国のあり方を中長期的な視点から描き出し、その方向に政治を誘導することを目的として論戦を挑むということだと思います。そのために、自民党ではできない政策、例えば、農業の産業化や労働政策における規制緩和、子育て政策のさらなる充実などをハッキリと打ち出すことです。

民主党政権が目指していたことは間違いではなかったと思います。反省すべきは、政権政党としての作法が欠けていたために内輪揉めを繰り返して力を外に向けることが出来なかったことです。党の復調が困難を極めようとも、既得権益のための政治ではなく既得権益から外れた人たちのための政治を行う、という党の原点に立ち返り、決して諦めることなくコツコツと活動をしたいと思います。引き続き厳しくも暖かい叱咤激励をくださいますようお願い申し上げます。
posted by 村越ひろたみ at 18:06| 政治放談

2012年08月01日

脱原発を確実なものに!

反か脱かはさておき、私は原子力発電には何らメリットがないと考えています。その思いは福島原発事故以前からのものです。原発は、国土を汚し子ども達の将来を脅かし、リスクを考慮すれば国民負担に歯止めがかからず、廃棄物の処理を含めて外国に迷惑をかけるからです。だからこそ、福島の事故の猛省のうえに、再生可能エネルギーを産業化し、寿命が来た原発から順番に廃炉していくことこそ真の保守政策であり国益に合致するものと信じています。

大飯原発再稼働に関する一番の問題は、政府が採用した脱原発路線を現実の政策に落としこんだもの、つまり具体的な脱原発のための工程表を策定するまえに、当座の電力需給のために再稼働を決断したことに尽きると思います。全体計画のなかで、最終的にどのような形で脱原発が担保されるのかを明らかにした上で、比較的安全度が高いとされる大飯原発をやむなく再稼働したというならまだしも、この夏は特に暑いから、とか、経済界の要望云々で再稼働する、というのは明らかに間違った事です。

9月には強力な権限を持った原子力規制委員会が立ち上がります。バックフィット制度と呼ばれる最新の安全基準を全国の原発に厳格適用し、大飯原発は再停止を行うと共に全ての原発の廃炉に向けた現実的な取組を始めなければなりません。議会では有志の議員と共に、2025年度までに脱原発を完了し、再生可能エネルギーに移行することを明記した脱原発基本法案の提出に向けて白熱した議論を行っています。脱原発に向けた国民の強い思いをどう受け止めるか、政治の覚悟が問われています。
posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談

2012年06月25日

一体改革関連法案の採決を前に

私は、自らの信念に従って一体改革関連法案の採決で賛成票を投じます。
多くの国民のみなさまが消費増税を容認できないとお考えになっていることは重々承知しています。だからこそ、我々政治の現場に身を置く者は、喜び勇んで消費増税を行おうとしている訳では決してありません。あくまで、この国の未来を真剣に考えた結果、社会保障と税の一体改革という難題の解決に向けた最初の一歩をここで躊躇してはならないと真剣に考え、ご批判を十分に踏まえながらもそれでも前に進まなければならないと覚悟を決めているからです。

今現在、私たちは、私たちの子どもたちや孫たちを連帯保証人にして膨大な借金をつくって生活している、そんな異常な社会に生きています。こんなことを放置してはいけません。次世代に負担を残さないように、直ちに健全財政に向けた大いなる努力を始めるべきです。家計が苦しい時に何が求められるでしょうか。支出を減らして収入を増やす努力を同時に行うことです。もちろん、当事者が身を削りムダを無くす努力は永続的に続けなければなりません。その上で、景気の動向を見守りながら景気が上向く努力をし、やむをえず増税をお願いして収入自体を増やすことが一番の近道なのです。

「増税の前にやることがある」といったスローガンを声高に叫ぶ人たちがいます。これは一見もっともらしいものですが、国の将来を真剣に考えての発言とは到底思えません。単なる問題の先送りであり人気取りのためでしかないからです。私は、今の社会の最大の問題は、先の見通しがきかない社会であること、そしてそこに「決められない政治」が覆い被さっていることだと考えています。ねじれ国会の下、たとえ歩みが遅くとも社会保障を持続可能なものに変革し、この際反対派と縁を切ってでも「決める政治」に転換していくことでしかこの難局を打ち破る方法はないと考えます。

我が党にも反省すべきところが多々あります。党内で手続きを踏んで決めたことに所属議員は従わなければなりません。途中、意見を戦わせるのは大いに結構なことです。けれども、決めた後に造反をちらつかせ条件闘争をするのはモラル違反です。これだけ重要な法案に対して、信念に従って反対をするというのならその方々は除籍を覚悟するべきですし党も厳罰で応ずるべきです。棄権した議員の対応も同様でしょう。そうでなければ、公党間で責任ある議論が出来るはずありません。将来の消費増税そのものよりも、こうした民主党の体たらくに嫌気がさしている方の方がむしろ多いのではないでしょうか。

我々がマニフェストでお約束した最低保障年金の確立や後期高齢者医療制度の廃止などの社会保障改革の中身や、2014年に一旦8%に消費税率を上げる際の前提条件となる景気条項などまだまだ議論をしなければならないことは残されています。こうした論点に関して極力丁寧な議論とそのご報告に努めて参る覚悟です。当分の間、民主党野田政権は将来の消費増税を決めた国民の敵と見なされるかもしれません。しかしながら、この決断は将来の「歴史の検証」に耐えうるものだと信じて止まないということを申し上げ、ご理解を賜りたくお願いを申し上げます。
posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談

2012年03月23日

政局ではなく、国民のための議論を

橋下徹大阪市長に国民の期待が集まっています。政治はもとより社会全体に閉塞感が覆い被さっている状況の中で、歯切れの良い物言いや単刀直入な政策に注目が集まるのは当然のことだと思います。また、政治に身を置く者は猛省を求められていると厳しく受け止めなければなりません。しかし、そうした政策や政治観がそのまま日本社会に受け入れられ、かつ、この国難を打開する特効薬になるかといえば、そうではないと考えます。なぜならば、我々の社会は、相応の時間を掛けてじっくりとものごとを議論して社会を進めていく、民主主義的熟議やプロセスそのものを重視することが前提になっているからです。

仮に、我が国が、お隣の中国のように、国会の会期が一年のうちたったの10日間で、政治局常務委員とよばれるトップ9人が13億人の命運全てを差配するような政治体制であれば話は別です。しかし、我が国はそうではありません。確かに、中国の政治風土からすれば、一ケ月以上も予算案の可否に関して国会で議論していることなど無駄と非効率の極致だ(日本の政治史を振り返っても過去に当初予算案が否決されたことは一度もありませんので)ということになるでしょう。しかし、我々はあえて時間をかけて議論をし、その中身をオープンにすることで多様な意見を取り入れていく仕組を選択してきたのです。

さて、平成24年度予算案の衆議院での審議がようやく終わりました。補正予算の審議を含めてほぼ2ケ月にわたって予算委員会に缶詰になっていて痛感したことは、ねじれ国会を前提としながら、国益と国民を見据えた熟慮の民主主義、政権交代可能な二大政党制の定着をあくまで追求しなければならないということです。そして、その萌芽が見え始めているということも感じています。批判のための批判や、単に足を引っ張るだけの質問が無くなった訳ではありませんが、明らかに減ってきている気がしています。

社会保障や消費税の議論、あるいは選挙制度そのものなど国民生活の根幹に関わる課題に関しては、あくまで政局を抜きにして真摯に議論をすべきです。与野党で財政的な制約や技術的制約を共有し、それぞれの案に拘泥することなく合意を目指して汗をかかなければなりません。また、合意の中身に与野党が責任を持ち、議論をパフォーマンスに用いず、重要課題を選挙の争点にしないなどの取り決めが必要になるでしょう。さらには、関係団体からの圧力を排除し、すべての情報を国民に開放する文化を確立することが求められます。その先にこそ、国難を乗り越えた日本の将来が見えてくるのではないでしょうか。
posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談

2012年03月05日

予算委員会 分科会

今国会においても引き続き予算委員として連日予算の審議に臨んでいます。
現在は23年度の四次補正予算に続き、24年度の予算を審議しています。

予算の審議では、各省庁の所管事項について専門的に審議するために分科会が設置されます。
今日は分科会での審議があり、私は第八分科会(国土交通省関連)の主査を拝命しました。
主査は、通常の委員会における委員長のように分科会の議事進行等を行います。
今日は午前中に8人、午後に14人の質疑者が立ち、8時〜20時までの長丁場です。

また、TV中継のない日でも委員会の審議はインターネット中継でご覧になることができますので、ご興味おありの方は「衆議院TV」をご活用ください。

衆議院TV http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談

2012年01月24日

通常国会にむけて

2012年を迎えました。昨年は、まさに多事多難の一年でしたが、今年は、昨年の分を取り戻すかのような素晴らしい一年にしなければなりません。そのためにも気持ちをスパッと切り替えて、もっともっと頑張って、先頭を切って走り抜く覚悟です。是非とも昨年と変わらぬ叱咤激励をお願い申し上げます。

民主党はウソつきだ、というお叱りを数多く頂きます。返す言葉が見当たりません。年末には離党者が出る始末でした。心中を理解できなくもないのですが、肉屋をやっていて食中毒を出したから、明日から魚屋に転身します、といったところで信頼は得られません。我々はこの正念場で、具体的な成果を上げるための決断と実行をしなければなりません。

通常国会が24日から始まりますが、ここでの最大の争点は、公務員制度改革と社会保障と税の一体改革です。我々は、議員定数削減案と消費増税に関する議論の叩き台を提出したところですが前途は多難です。私は、引き続き予算委員会に所属することになりましたので、国会での議論の流れをタウンミーティングにてその都度ご報告させて頂きます。

この国の将来のために、国民のみなさまにご負担をお願いする前に、やることをやる、これは当然のことだと考えます。また、そのための議論をオープンかつ解りやすくお伝えることも必要です。そして、大きな政策選択を行う際には、みなさまのご判断を仰ぐことになります。色々な意味で勝負の一年です!
posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談

2011年11月10日

TPP交渉参加に向け冷静な議論を

国会では、震災からの本格復興のための第三次補正予算の審議が佳境を迎えると同時に、TPP協定参加に向けた交渉に我が国が参加するのかどうかが一大争点になっています。関係団体・議員が入り交じって個別の利害や選挙区の事情に基づく感情的で政局的な言動や誤解に基づく議論ばかりが目立っていますが、あくまで日本の将来と国益を見据えて冷静かつ意欲的な議論を行うことが肝要です。

私は、当初から我が国はTPP参加に向けて準備を進めるべきだと考えています。グローバルやボーダレスという言葉が陳腐なものに聞こえるほど、人・モノ・カネが瞬時に世界を行き来する時代にあって、優れたサービスや技術、安心・安全で質の高い農産物を切り札として世界に打って出るべき我が国が、アジア圏における自由貿易体制の確立に向けて交渉・議論を避けて通るなどということは、およそ考えられないばかりか、国益を損すると考えるからです。

農業と言うよりも農業団体や農家を守るだけの農政を転換し農業改革の契機をつくり、貿易手続きを簡略化することで中小企業の海外展開を後押しする。そうしたことで国内経済の縮小に歯止めをかけ雇用を生み出すことができます。また、国際社会のルール作りに積極的に関与することは外交上不可欠です。鎖国的な外交、閉鎖的な商取引や内向きの発想が国の発展をもたらした例はありません。TPPの経済成長促進効果を念頭に大きな政治決断をすべき時がきています。
posted by 村越ひろたみ at 00:00| 政治放談

2011年09月05日

新政権誕生に際して

おかげさまをもちまして、野田内閣が順調に滑り出しました。世論調査で、軒並み高い内閣支持率が出ているばかりか、政党支持率も自民党を逆転しました。しかし、民主党政権が徳俵に足が掛かった崖っぷちの状態に立たされていることには変わりありません。前政権下で問題提起したものの道半ばになってしまっている税と社会保障の一体改革やTPP、円高・経済対策といった多くの課題を前進させることや、マニフェストの総括をどうするのかといった難行苦行を避けて通ることはできないからです。ここが最後のチャンスと捉えて、政権交代の原点に立ち返って地道な活動を徹底したいと思います。

震災からどうやって立ち上がるか、ということは、日本のグランドデザインを描くことそのものだと考えます。まずは三次補正予算で震災の本格的復興策をまとめることに尽きるのですが、その際、我々は価値観の転換を迫られているのではないか、と思うことがあります。永田町に通勤する際に、新規に建造したものの節電で全く稼働していない歩く歩道やエスカレーターを横目にすると、無くてもやっていけるようなムダ(足が不自由な方にはエレベーターがあります)をどれだけしてきたかと愕然とします。つまりは、物質的に恵まれていることが豊かさに直結する訳ではないことを多くの国民は震災を契機に痛感したのではないでしょうか。幼少の頃、電気を点けっ放しにしたり、醤油を必要以上に注いだりして、父からこっ酷く叱られたものですが、こうした物資が乏しかった時代の価値観や教育方法をこの際参考にするのも一案かな、と思います。

8月30日をもって、あの政権交代から丸2年が経ちました。衆議院の任期は最大で4年ですから、折り返し地点を過ぎたことになります。残りの任期を精一杯務めることでみなさまのご期待に少しでも多くお応えしていきたいと思います。引き続いての厳しくも温かい叱咤激励をどうかお願い申し上げます。
posted by 村越ひろたみ at 15:54| 政治放談

2011年06月08日

トロイカ体制の廃止を!

去る6月2日に内閣不信任決議案が衆議院本会議で審議されました。結果は既にご案内の通り反対多数で否決されましたが、政治の歪みが様々な形で現れただけでなく、多くの問題が積み増しされた格好になり、一体何だったのかと大変腹が立っています。

東北はもとより、浦安市を含めた被災地の復旧復興のために、全身全霊を傾けなければならない今、何故わざわざ時間を浪費するようなことをするのか、不信任案の提出自体は野党の責任ですが、問題は、それに乗じて一部の与党議員が政権の転覆を画策していたことです。

首相・党代表を交代させたいのであれば、党内で議論をし、あくまで党内で決着をつけるべきです。それもせずに、野党提出の不信任案に同調するというのは全くスジが通りません。結果として一部の与党議員が採決を欠席しましたが、離党をしてからにするべきです。

政府の震災・原発事故対応が十分だとは私も考えていませんが、とはいえ、このさなかに首相が交代することで状況が劇的に改善するのか、甚だ疑問ですし、そもそも別の首相だったら原発事故は起きなかったのだ、と言わんばかりの安易な主張には辟易とさせられます。

私は、がれきの処理と仮設住宅の設置に始まり、原発事故対応、液状化対策から自然エネルギーへのシフトに至るまでの一連の復旧復興事業は、日本の将来のグランドデザインを描くことそのものだと考えています。この極めて重大な局面に水を差すようなことを許してはいけません。

民主党は、菅・鳩山・小沢の「トロイカ体制」脱却を模索するべきです。今回の騒動で、首相は著しく誠実さを欠き、鳩山氏は一貫して信頼に値せず、小沢氏は相変わらずの因循姑息ぶりでした。被災された方々に真摯に思いを致し、内輪揉めを制してエネルギーを外に向ける新しいリーダーシップが必要です。

posted by 村越ひろたみ at 11:31| 政治放談

2011年04月14日

脱原発:エネルギー政策の転換を!

 3.11に生じた未曾有の大震災と大津波、福島第一原発における放射能漏出事故という空前の国難に際しまして、被災されたみなさまに心からお見舞い申し上げます。また、被災の最前線にあって公的・私的立場から日々奮闘される全てのみなさまのご尽力に、心からの敬意を表します。

 福島第一原発での冷却機能喪失による原子炉機能の損傷、放射能漏出事故は、関係各位の必死の努力にもかかわらず、依然として危機的状況が継続しており、原発事故の水準としても、チェルノブイリ原発事故と同等のレベル7に至っているとの発表がなされました。放射性物質の拡散、低濃度汚染水の海洋投棄など、わが国の美しい国土が長期にわたって回復困難な形で汚染されてしまったことには、痛恨の念を禁じえません

 一方で、マグニチュード7を超す大きな群発地震が続く中、なお、国内の原発の多くは稼働を続けており、国民のみなさまに大きな不安を投げかけています。
 私は国政の負託を受けた国会議員の一人として、このような事態に立ち至ってしまった責任を痛感し、国民のみなさまにお詫びしなければならないと考えています。

 そして私は、今般の事態を踏まえた痛烈な反省のもとに、原子力発電に対する私自身の考えを明らかにしておきたいと思います。
 私は、日本列島を襲うこの連続した群発地震が一定の落ち着きを見せるまで、緊急的な措置として、特に危険と目される浜岡原発の稼働をすみやかに停止させるべきだと考えます。また、そのほかの原発についても徹底的な安全性の検証を行うべきと考えます。 
 その上で、今回の事態の十分な検証と反省を行い、わが国の中長期的なエネルギー政策の抜本的見直しを通じて、脱原発を明確に志向すべきです。

 私はいますぐに全ての原発を停止させるべきである、との考えは取りません。それは復興へ向かう我が国経済にとって、大きな制約となりかねないからです。
 しかし、日本列島の地殻が活性期に入った可能性のある現在の状況において、旧来の枠組みで設計・運用されてきた原発の運転は慎重の上にも慎重を重ねるべきであると考えます。浜岡原発にもしも福島第一原発と同様の事態が生じた場合、首都圏が壊滅状態となり、我が国の復興が著しく困難となる事態が生じかねません。ことはエネルギー政策の問題であるばかりか、国家の安全保障上の重大問題と捉えるべきです。

 そして中長期的には、脱原発を基軸にすえたエネルギー政策に舵を切るべきです。その際には安易に化石燃料に頼るのではなく、化石燃料から自然エネルギーへの歴史的転換の道を、我が国が率先して切り拓く必要があります。
 容易な道ではありません。しかし、この道を歩まねばなりません。
 私たちの世代が負託を受けたこの日本の美しい国土を、子供たちの世代に美しいままに受け継いでいくことが、何よりも私たちの責務といえるのではないでしょうか。

 私は今後、あらゆる努力を払って、浜岡原発の一刻も早い操業停止と、わが国のエネルギー政策の抜本的転換=脱原発を目指します。

 共に新しい時代に向かいましょう。

2011年4月14日
衆議院議員 村越 祐民

 
posted by 村越ひろたみ at 18:44| 政治放談

2011年03月07日

前原大臣辞任に際して

春の訪れと共に花粉が飛び始めました。スギやブタクサはおろかアルコールに至るまで様々なアレルギーを有する私からすればこの季節はつらいものがあります。

もはや国民病と言われる花粉症は、放漫な林野行政の重いツケであることは明らかですが、本質的な問題は、むしろ、我々が安直な生活を追い求め過ぎたことにあるのではないでしょうか。

かつて旺盛だった住宅需要にあわせて生育の早いスギをのべつまくなく植林することが必要だったことは理解できます。しかし、我々日本人は本来、腰を据えてじっくり物事に取り組むことが得意なはずです。

思考の早さで結果を出す必要などなく、長期的な視点や分析に基づいて真の豊かさを志向し、課題に取り組むことが常に求められているのだ、鼻をかんで山になっているティッシュを前に切にそう思います。

さて、永田町では、論戦の主戦場が参議院に移りました。そこにきて、私淑している前原誠司さんが外務大臣を辞任することに至りました。こうした問題に対して敏感だった方だけに残念でなりません。

けじめをつけた上でしっかりと説明をして頂き、スキャンダル合戦で国会論戦が滞らないように徹底しなければなりません。

もう一つの所属委員会の安全保障委員会での議論が本格化しますが、ローマにて塩野七生さんから頂いた「自宅の戸締まりは個人で出来るが、国の戸締まりは個人では出来ない。それこそが政治家の仕事です。」とのお言葉を胸にしっかりと取り組んでいく覚悟です。
posted by 村越ひろたみ at 11:57| 政治放談

2010年12月10日

厳しいときこそ

みなさま、こんにちは。早いもので2010年も終わりを迎えようとしています。みなさまの手で政権交代が実現し一年があっという間に過ぎ去りました。まさに若葉マークをはずして本格運転に入らなければならない時期になりました。まずはこの間のわたくしに対するご親身なご支援と忍耐強く民主党政権を見守ってくださったことに深謝いたします。

政権に対する厳しい評価は骨身に沁みるものがあります。ここのところの選挙で連戦連敗していることもさることながら、日々辻々から聞こえてくるご批判は辛辣な内容が多くなってきています。しかし、そんな時こそ国民の声に耳をそばだてて着実に行動しなければなりません。世論に迎合するつもりはありませんが、政治が世論と切っても切り離せない関係にあるのもまた事実です。

かのマザーテレサは「愛の反意語は無関心である」という趣旨のことをおっしゃったそうです。行間を読めば、さまざまなご批判を頂いているうちが花であって、何もご批判が出てこなくなったときこそが、一巻の終わりだということでしょう。厳しいご批判やご意見はあくまで、政権交代に賭けた国民のみなさまの期待の裏返しと考えて、我々はさらなる奮闘努力をしなければなりません。

国民生活は待ったなしの状況です。まずは来年の常会で、国民生活のための予算を通すことで、たとえ少しずつであっても前進していかなければなりません。わたくし自身も、欧州の招聘プログラムで政策の勉強に出掛けたり、準備をしてきた議員立法を実現できるように一層精力的に活動していきたいと考えています。引き続いての叱咤激励を頂戴できますよう心からお願い申し上げます。
posted by 村越ひろたみ at 10:20| 政治放談

2010年07月28日

【緊急声明】死刑の執行に抗議する

2010年7月28日

千 葉 景 子 法務大臣殿


【緊急声明】死刑の執行に抗議する


死刑廃止を推進する議員連盟

会  長  亀 井 静 香

事務局長  村 越 祐 民


私たち「死刑廃止を推進する議員連盟」は、千葉法務大臣が本日、2名の死刑囚の方(篠沢一男氏、尾形英紀氏)に死刑を執行したことに、強い怒りと無念の気持ちを表明します。

死刑は国家による殺人行為であり、いかなる場合にも認められるべきではありません。これは人類が長い歴史の中で幾多の犠牲を払って遂に克ちえた貴重な教訓に基づく思想であり、地域・国家の別を問わない普遍の原理であります。世界の殆ど全ての先進国を含む七割の国々が死刑を廃止し、昨年一年間死刑の執行に及んだ国がわずか18カ国(注)に留まったことは、その世界的潮流の表れであります。

本日は、昨年7月28日を最後に、我が国で死刑執行が事実上停止となって丸一年が経過した記念すべき一日となるはずでした。いまこそ、刑場の公開等の情報公開や、重無期刑の創設、裁判員制度における死刑判決の在り方の検討など、死刑制度の存続の是非を巡る抜本的で本質的な国民的議論が始められると期待していた矢先に、不意打ちのような形で今回の死刑執行が行われたことに、強い失望の念を禁じ得ません。

千葉法務大臣はその会見の中で、死刑制度の存廃を含めた死刑制度の在り方について検討するための勉強会を、法務大臣の下に設ける考えを表明されました。そうであるならば、死刑制度の存廃についての議論が結論をみるまでの間、死刑執行の停止(モラトリアム)を行うのが筋であったのではないでしょうか。

なぜこの時期に、自らの手で死刑の執行を行ったのか、千葉法務大臣は国民に対する大きな説明責任を負っています。かつて共に死刑制度の廃止に向けて議論を喚起してきた立場から、千葉法務大臣には是非、当議連において、今回の死刑執行についての真摯な説明をされることを望みます。また、設置予定の勉強会のメンバーとして、当議連のメンバーを加えることを併せて求めます。
そして何より、これ以上の死刑執行を即時に停止することを強く求めます。

以  上




注:中国、イラン、イラク、サウジアラビア、米国、イエメン、スーダン、ベトナム、シリア、日本、エジプト、リビア、バングラデシュ、タイ、ボツワナ、シンガポール、マレーシア、北朝鮮
posted by 村越ひろたみ at 17:47| 政治放談