2009年05月18日

Fraternite

土曜日に鳩山由紀夫さんが新代表に選ばれ、岡田克也さんを幹事長に充てる人事が発表されました。小沢前代表の影響力が残る云々、院政云々等と言われていますが、実際にそうなってしまっては国民からの信頼を得ることはできないでしょう。

新執行部はその点を踏まえて総選挙に向けて「全員野球」で取り組む旨の宣言をしています。私もその一員として頑張っていこうと気持ちを新たにしています。引き続き、我が党に対する厳しくも暖かい叱咤激励を頂きたくお願い申し上げます。

ところで、「友愛」が鳩山新代表のスローガンですが、「分かりにくい」とか「宗教じみている」とのお叱りを頂いています。なるほど、そうかもしれない、と思いつつも、始めての選挙の際、印刷屋さんから教えて頂いた「民主党のロゴマークの赤はトリコロールの赤なんだよ。」という話を思い出しました。

トリコロールの赤とはすなわち「Fraternite(友愛)」の意味ですから、そうだとすると、民主党の結党理念の中に「友愛」の精神が組み込まれている、ということでしょうか。

いずれにせよ、鳩山さんは大変優しくて親しみやすいパーソナリティの方なので、それを活かして民主党は分かりやすい政治を押し進めていくべきです。


posted by 村越ひろたみ at 16:01| 政治放談

2009年05月14日

今更ですが、草なぎ事件について

公然わいせつ罪で逮捕された草なぎ剛氏が今月末から活動を再開するとの報道がありました。多くのファンが復帰を待ち望んでいたことからして、ご同慶の至り、であります。

しかしながら、思い起こすと、「お手本のような謝罪会見」以降、「オピニオンリーダー」の方々が口々に「飲んで裸になりたい気持ちがよく理解できる」等の発言をしつつ感情的な擁護を繰り返し、鳩山法務大臣が「最低の人間」と評して以降、人格攻撃とも取れるような苦情の嵐に晒された一連の有様は今更ながらに異常だったと思います。

国際社会においては、公衆の面前で酔っ払うこと自体が非難の対象に成りうる「蛮行」ですし、酔った勢いで全裸になるが如きは論外です。画面を通した草なぎさんのイメージを踏まえてとっさに彼を擁護したくなる気持ちはわかりますが、事実だけを見るにつけ鳩山法務大臣の発言は正鵠を射ていたのではないでしょうか(もっともあなたが言うなよ、というのはよくわかります)。

また、「逮捕や家宅捜索は行きすぎだ」等の発言が相次ぎましたが、本当にそうでしょうか。判例に拠ると、公然わいせつ罪の「公然」とは、「不特定または多数人が認識しうる状態をいう」との事ですから、当該警察官の行動は適切でしたし、家宅捜索にしても、適正な手続きが取られていて、芸能界の薬物汚染が社会問題化し、氏が逮捕後もしばらく酩酊状態が続いていた前提からして妥当でしょう。

今回の問題は、草なぎさんの清新なイメージがあまりに大きく、smapの人気が高かったからこそ、過剰な同情が集まって、警察や法務大臣などに批判が集まったのでしょうが、彼や彼女がクリーンで爽やかなイメージの芸能人で、所属芸能事務所の力が絶大だっただけに法律が通常通り適用されない、等ということがあったとすれば、それはもっと恐ろしいことのように思います。


posted by 村越ひろたみ at 13:43| 政治放談

2009年05月13日

代表辞任と代表選挙

先週末に行われた世論調査の結果を受けてのことなのでしょうか、ようやく小沢代表が辞任をしました。民主党はこれを期に、従前から頂いていた国民のみなさまからのご期待に応えられるようリニューアルしなければなりません。

しかしながら、新代表を選出する過程を巡って党内で議論されていることを仄聞するところによると、徒に代表選挙までの期間を短くしようとしたり、党員・サポーターや候補者を排除して投票権を現職議員だけに限定したりと恣意的で閉鎖的な印象が否めません。

丁度、党員とサポーター募っている期間なのですから、今回の代表選挙に投票できますよ、と謳って大々的に募集が出来たら良かったのに…、と大変残念に思います。

新しい代表には民主党らしいオープンで透明な党運営を徹底してもらいたいと切に望みます。


posted by 村越ひろたみ at 12:02| 政治放談

2009年05月08日

新型インフルエンザについて

新型インフルエンザが世界中を震撼させています。政府は「水際対策」と言って懸命に予防線を張っていますが、ゴールデンウィークが終わって海外渡航者が大量帰国をしてくれば国内感染者が出るのは時間の問題と言えそうです。

不幸中の幸は、このウイルスが弱毒性であったことです。要は、例年冬になると流行するものと大差がなく、きちんとした予防をし、感染した場合であってもきちんとした治療をすれば問題無い訳です。

予防の際に、手洗いやうがいが重要なことは言うまでもありませんが、手洗いの際に、爪の間を意識して洗浄すること(片方の手のひらにもう片方の爪をこすりつける)と親指をよく洗うことは見落としがちです。

大事なことは、今回の流行を教訓に本当のパンデミックに備えてワクチンの備蓄をし、予防のための啓蒙をすることではないでしょうか。

いずれにせよ、一刻も早く沈静化をしなければなりません。


posted by 村越ひろたみ at 16:58| 政治放談

2009年04月27日

妻の鼻を明かそう、という社会運動

唐突ですが、自分なりに精一杯育児参加をしているという自負があるのにも関わらず、一向に妻に認めて貰えない世の父親が実は死屍累々としているのではないかと推察しています。

かく言う私も、子どもを風呂に入れる、パンツやロンパースを洗う、たまには鉄道博物館に連れていったり幼稚園にお迎えにいったりしていて、よくやっている方だと個人的に胸を張っているものの、妻の評価は「あなたは何もしていない」の一点張りです。

ある調査によると、育児や家事に追われている主婦の仕事を年俸に換算すると1500万円にも上るそうですから、それが大半の男性の年収を遙かに上回る高額であることからして、育児や家事の「激務」は想像に難くありません。そうだとすると、ベビーシッターを雇うか、何か「シンボリックな出来事」が発生して一時的であるにせよ母親の負担を激減させない限りは父親に対する激辛の評価が「あなたは良くやってくれている」というふうに好転することは到底期待できないでしょう。

もちろん、このご時世にベビーシッターを雇うなんていうのは極めて非現実的なことです。ならば、カネが無いなら頭と体を使え、ということで、「シンボリックな出来事」をコミュニティ単位で実行したら面白いことになるのではないか、と先々週の週刊ダイヤモンド「社会起業家全仕事」特集を斜め読みしていてつらつらと考えた次第です。

例えば、定期的に子育て世代の父親が子どもを連れて集まることで、母親に自由な時間をプレゼントする、ということを大々的に実践したらどうでしょうか。父親は子育ての問題を共有・解決出来るでしょうし、その場に団塊世代の方を講師にお招きして、育児の先輩からアドバイスを頂いたり、竹とんぼ造りを習ったりベーゴマやメンコの遊び方を教えてもらったり、というのは有意義でしょう。

反対に、母親は晴れて子育てから解放されてママ友と食事に行くのもよし、旧友のところに久しぶりに訪ねていくのもよし、といった風に思い思いの時間を過ごせて育児ストレスから解放される、という算段です。そうすることで、父親は「何もしていない」という汚名を晴らして妻の鼻を明かすことができ、ささやかですが、家庭円満につながる仕組ができあがるのではないでしょうか。

こういった趣旨のNPOが既に存在するのかどうかわかりませんが、実現させればある種の社会企業として存在価値があるのではないかと考えています。これを読んだ方で趣旨に賛同される方がおられましたら是非ご一報頂きたいと思います。

本日、09年度補正予算案が閣議決定されるとのことですが、その中には2兆円近くの子育て関連予算が含まれています。過去最大の借金をして組んだ予算であるのにも関わらず相応の実効性があるか甚だ疑わしいと思います。男性の育児参加が積極的に要請される時代にあって、父親の沽券を保ちつつ、母親の育児や家事を軽減させる方法をおカネを使わずに考えるべきではないでしょうか。


posted by 村越ひろたみ at 16:30| 政治放談

2009年04月19日

世襲の制限を

親族から選挙区や後援会を譲り受けた上で同一選挙区から立候補することをマニフェストに盛り込む、あるいは、政党が独自に、候補者選定基準の中に世襲議員の制限を盛り込んでいくという真っ当な試みは、残念ながら永田町では一向に進む気配が見られません。

この背景には、世襲議員[全衆議院議員480名のうち、両親や祖父母を国会議員にもつ議員は131名(自民党107名・民主党17名)で、全体に占める割合は27%に上る]の多くが有力なポストを占めていて、そうした方々が反対に回っていることがあると思われます。選挙区の世襲制限に反対する論拠は、概ね二つのポイントに絞られるようです。すなわち、@世襲議員の同一選挙区での立候補禁止は、職業選択の自由を保障した憲法に反する、A世襲議員を減らすと、有能な人材が枯渇してしまう、というものです。

しかしながら、@の憲法違反との主張は、一見正論のように思えますが、そもそも、立候補自体を禁止している訳ではありませんし(別の選挙区から立候補すればよい)、多様な人材を確保し政治の信頼を回復する、という重大な目的を達成するためには、憲法違反とまではいえない(それでも違反だ、と強弁するのなら、是非とも裁判所で争ってもらいたいものです)。また、Aの、世襲議員は有力者で能力の高い人ばかりなのであって、世襲議員を排除してしまうとかえって国会の能力が低下してしまう、という議論も、政治的に無垢で有能な民間出身者が国会に入ることの方が、有能だけれども世襲の議員が蔓延っている議会よりも、よほど健全で合理的であろう、と明確に反論できるように思えます。

政治を国民に身近なものに変えていくための究極の課題は、人材の過少流動性を解消する、言い換えれば、これまで傍観していた有能な民間人を政治に取り込むことで、新しくて大胆な政策を進めていくことに尽きると考えます。しかしながら、現状では、民間人が職を辞して選挙に出るには、社会的リスクが大きすぎますし、そもそも政治が信頼されていない以上、政治家になる十分なインセンティブが無い、という大問題があります。

そうだとすれば、会社を離職せずに選挙に立候補できる制度を確立し、選挙区の世襲を禁止して、一般の方が選挙に出やすくする取組を進めると同時に、政治家を辞めやすくするインセンティブを設けて、居座る政治家を排除し、新たな人材を政治に取り込む制度をつくらなければなりません。まずは隗より始めよ、ということで、民主党は身を削る思いでマニフェストに選挙区の世襲禁止を盛り込むべきです。


posted by 村越ひろたみ at 16:37| 政治放談

2009年02月03日

「国会リストラ」論!?

永田町の関心は、いつ解散総選挙が行われるか、という一点にのみ集中しているようです。来年度予算が成立した時点でいつ行われてもおかしくないという所は衆目一致のようですが、麻生首相がご自身の手で解散権を行使するのであれば、任期終了ぎりぎりということではなく、予算成立後のなるべき早期に、ということになると思います。

それはさておき、問題は、解散間近になると人気取りの政策が横行することです。「定額給付金」はその典型ですが、ここのところ喧しいのが「一院制」や「議員定数削減」や「歳費削減」などの「国会リストラ」論です。

そもそも、一院制は憲法改正を果たさなければ実現が不可能なことですから、選挙公約にする以前に相当な国民的な議論が必要です。いわゆる「ねじれ国会」が問題なのであれば、ねじれを解消するために直ちに解散をするなり、再編をするなりすれば良い訳で自らの議席をまもるために一院制を唱えるのは本末転倒というものです。

また、議員定数の削減にしても、比例代表制度の廃止など選挙制度の改革を具体的に行うことを見据えた上での議論ならともかく、「半数削減」等の身も蓋もない議論はお粗末としか言いようがありません。

さらに、歳費削減論ですが、似たような「公約」を地方の首長選挙の際に散見しますが、受け取ってもいないお金の話を今からしたところでそれが「公約」に値するとは思われません。まずは、歳費に値する仕事をすることから始まって、批判の強い文書通信交通費の開示など政治資金の透明化を徹底するべきではないでしょうか。

以上のような議論は、そもそも、国民が納得するような仕事を果たしてから「議員自ら身を切」るというのが自然な流れですし、仕事をしない議員は選挙の際の落選によってリストラされるのがそもそものスジだということからして傾聴に値しない内容です。今後、与野党が政策を競い合うことになりますが、単なる人気取りに過ぎない表面的な議論はするべきではありません。


posted by 村越ひろたみ at 19:24| 政治放談

2009年01月20日

インフルエンザパンデミックのリスク管理を

インフルエンザが猛威を振るいつつあります。少し前に国立感染症研究所の岡田晴恵さんから、インフルエンザに関するお話を伺いましたので、おさらいしたいと思います。

岡田さんに拠ると、欧米ではインフルエンザは医療の問題ではなく、安全保障・危機管理の問題として捉えられているそうです。ひとたび強毒性の新型インフルエンザが流行すれば、数十万人単位で死者が出たり、その結果として医療サービスが破綻したり、GDPに換算して20兆円規模の被害が出るおそれがあるからだそうです。

鳥インフルエンザが世界的に流行しつつある現状は、新型インフルエンザが流行する予兆であり(過去のスペイン風邪や香港風邪といったインフルエンザは全て鳥インフルエンザの変種だそうです)、新型インフルエンザに対する免疫を誰しもが持っていないことからすれば、流行を抑える社会的な準備や規制を早急に行う必要があります。

家庭においては、?食料備蓄、?流行の際の外出禁止、?健康的な生活を日常から心がける、?日常飲んでいる薬を普段から余分にもらっておく、が肝腎だそうですが、食料を備蓄する際に、電解質飲料やフルーツ缶詰(シロップがブドウ糖溶液の代わりになる)、保冷剤(いざというときの熱冷まし)を買い置きしておく事だ大事だ、というお話はなるほど、と思いました。

国民のいのちと健康をまもることが国家や行政の使命の一つだとすれば、我が国の現状が、タミフルの備蓄が2000万人分程度で、インフルエンザに関して、省庁間連絡会議でしか対応していないというのは、パンデミック(感染病の大流行)リスクの管理体制として誠にお粗末としか言いようがありません。

千葉市内でも今年に入ってから学級閉鎖をした事例があるといいます。個人単位でインフルエンザに対する正しい知識を共有して予防に努めることもそうですが、国家が危機に備え啓蒙活動を行うことが求められていると考えます。


posted by 村越ひろたみ at 14:07| 政治放談

2009年01月10日

シェアするべきか?

ワークシェアリングの導入に関して経団連会長と連合会長の双方がその導入に賛成しつつも、経団連は「賃下げ」を、連合は「雇用創出」を念頭に置いているために議論が平行線をたどったとのことです。

思うに、不況をやり過ごすためワークシェアリングを導入するのはやむを得ないことかもしれませんが、ワークシェアリングはあくまで限定的に用いられるべきではないでしょうか。個人は、生涯を掛けて追求するようなやりがいのある仕事を持つべきで、国家や企業はそうした仕事を創出し、一定以上の賃金を支払うよう努力するべきだからです。本来、仕事はシェアをするものではありません。

卑近な例ですが、実は、弊事務所においてもある種のワークシェアリング的なことをやっております。お恥ずかしながら、仕事が多すぎる割に「実入り」が大変少ないために、事務所スタッフが「自発的パートタイム化」せざるを得ない実情があるからです。要するに、経団連が主張しているような「賃下げ」のためのワークシェアリングを採用せざるをえないということです。

事務所スタッフを雇い入れて、彼らの助けを借りて政治活動を行っている私としては、同時に経営者の端くれでなければならない訳ですが、経営者たる者、事務所がスタッフにとって自己実現の場であると同時に生計の手段であるよう常に配慮しなければなりません。事務所が彼らにとって自己実現の場であるかどうかはさておき、事務所が生計の手段となっていない場合、本来、経営者はスタッフを速やかに「正規」に雇用することで報いるべきです。このことは、従業員が2,3人の零細企業だろうと数万人の大企業だろうと基本的に同じ筈です。

そうだとすると、企業が空前の内部留保を抱えつつも、利益を労働者に分配しなければ正規雇用もしないという状況はどう考えても異常で経営の失敗と言わざるをえません。不況であろうとなかろうと、経営者は当該事業が社会に還元をしているかどうかを点検し、従業員の生活の安定を確保をする必要があるでしょうし、被用者は自らを見つめ直し自らの価値に目覚める必要があると思います。

それにしても、年越し派遣村の問題ばかりがクローズアップされていますが、誰がやってもアウトプットが一定の時給の安い仕事が氾濫している状況を変革する努力を、経営者も労働者も政治家も政府も怠ってきたことが現状の根底にある、と考えるのは行きすぎでしょうか。産業構造の転換をして、雇用を創出して、失業を無くすことを目指さねばなりません。

追伸:意欲を失わずに私の活動を日々支えてくださっている事務所の面々には経営者として猛省しつつただただ感謝をするばかりです。


posted by 村越ひろたみ at 23:59| 政治放談

2008年12月19日

拾う神

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製造業における派遣切りの問題が表面化したことで労働者派遣法の改悪されたことが浮き彫りになった格好です。

一方で、居酒屋さんをチェーン展開している(株)モンテローザが、首切りがあった地域を中心に会社説明会を開いてそうした方々を正社員として採用する準備があることをいち早く発表したとのことです。

この会社のように社会の公器として賛美されるべき企業は他にもあるのかもしれませんが、政府がまず失業を無くす雇用対策を発表するべきです。

この間の自公政権はこの点においてもっともケシカランと思う次第です。


posted by 村越ひろたみ at 15:18| 政治放談

2008年12月10日

木を見て森を見ず

首相や与党幹部がたばこ税の増税を見送る発言をしたことで、この議論は一応収束したようです。

端から見ていて、税収増を狙っているのか、たばこを政策的に葬り去ろうとしているのか、それともその両方の意図があるのか、よく解らりません。

どうやら、消費税の議論をしたいのだけれども、それが出来ないのでたばこを的にかけている、ということのようですが(大の嫌煙家の私からすれば、たばこ1箱1000円というのは是非とも実現するべき政策ですが)、本質的な議論とは言えなさそうです。

税制全体の議論を先送りにして、些末な議論で帳尻を合わせて済まされる事態ではない、ということを覚えておかなければいけません。


posted by 村越ひろたみ at 22:49| 政治放談

2008年12月08日

液状化…

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麻生首相の支持率が急落したことで、自民党内がなにやら喧しくなっています。

曰く、自民党・民主党の「改革派」が結集して新党を作るべきだ、そして、次回の総選挙後にそうした動きが活発化するだろうとのことですが、そうだとすれば、総選挙の前に新党を結成して、その党に対する国民の審判を仰ぐべきではないでしょうか。

そうでなければ、道理が通りませんし、選挙を前にしたパフォーマンスだと指弾されても文句は言えないと思います。いよいよ自民党が液状化しつつあります。


posted by 村越ひろたみ at 21:58| 政治放談

2008年12月07日

埋蔵金と呼ぶな

特別会計(財政投融資特別会計)の準備金(あるいは剰余金)を「埋蔵金」と称して来年度予算の財源に充てようという議論が横行しています。来年度予算の財務省原案では実に8.4兆円もの準備金が流用されようとしています。

このことは、財源が足りない一方で景気対策や社会保障費に莫大な支出をしなければならない我が国の極めて厳しい現状を如実に物語っていると共に、選挙を前にして、本来しなければならない財政改革の議論を封印して、問題を先送りにしている与党の隠蔽体質をあらわにしていると思います。

「埋蔵金」というと、ポケットの中に入れておいたまま忘れ去られていた一万円札がいきなり見つかったかのような有難いもののように聞こえますが、要は、「特別会計」という複雑で不透明な制度の中でさまざまな理由によって残されている税金の一部、というのが本当のところです。そして、このお金を支出することは、実質的には借金をするのとなんら変わりはないし、この場合はむしろ、赤字国債を発行することよりもタチが悪いということを覚えておかなければいけません。

準備金を使ってしまえば、使った分のお金を再度ストックする必要が出てくる訳で、財政規律に悪影響を及ぼすことは必至です。また、赤字国債を発行する場合は、明確な「借金」として認識をされるため、納税者のチェックの視線が先鋭化しますが、剰余金の流用は納税者の目を惑わしチェック機能が機能しません。剰余金の流用が、意図的に「埋蔵金」という名のオブラートに包まれて、あたかも負担を将来に先送りせずに済むかのように語られていることは大きな問題です。

準備金を「埋蔵金」などと呼ぶのは金輪際止めて、我が国の借金体質と真剣に向き合わなければなりません。


posted by 村越ひろたみ at 15:07| 政治放談

2008年12月06日

国庫負担割合は早期決着を!

基礎年金の国庫負担割合の引き上げ時期に関して首相の発言がぶれている、あるいはそうではない、との議論がなされています。

「100年安心」の謳い文句で2004年度に成立した年金改革法に基づいて、2009年度から国庫負担率を現行の1/3から1/2に引き上げなければならないことから今回の議論が始まっている訳ですが、実施時期や財源の議論を含めて早急に方針を打ち出さなければ、制度に対する不信感だけではなく、政権に対する不信感がさらに強まることになるでしょう。

年金をふくめた社会保障のグランドデザインを打ち出し、持続可能な社会の制度設計が出来て初めて、日本の社会全体が信頼のおけるものになり、社会に活気が戻ってくるということは間違いありません。財源論が紛糾する中で、大変困難な問題ではありますが、この問題が解決できなければ景気の回復も無い、と断言できます。


posted by 村越ひろたみ at 17:00| 政治放談

2008年12月05日

国籍法改正問題について

この間、駅頭などで国籍法改正問題に関してどのように考えるか、というご質問を多数頂いておりました。本日、国籍法の改正案が参議院で可決されたこともあってここに考え方を記しておこうと思います。

この問題に関してご質問される方の大半が改正反対派だと思います。そしてその方々は、国籍法改正案が成立することで偽装認知が横行することを危惧されているか、あるいは、そもそも国籍取得要件を厳格に運用するべきだと考えておられるか、のどちらかだと思います。

私は、以下の二つの理由で今回の顛末を大歓迎します。
@今時改正案は、6月の最高裁違憲判決を受けて立法府が行うべき当然の対応であるし、そもそも当該違憲判決を支持している。
A法改正にともなう偽装認知の横行という蓋然性の低いリスクよりも、一部の婚外子が不合理な扱いを受けることで生ずる社会的不正義の方が遙かに大きな問題でありそれを放置するべきではない。

ちなみに、国籍取得要件をあまりに厳格に捉えるのも賛成できません。これについては別の機会に論じたいと思います。


posted by 村越ひろたみ at 14:27| 政治放談

2008年12月04日

携帯電話は悪か?

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子どもの教育目的のために学校での携帯電話の使用を規制するべきだ、との橋下知事の方針は極めて示唆に富んだ問題提起だと思います。携帯電話の使用規制をすることで子どもの学力が向上する保障はどこにもないような気もしますが、結論から言えば、私はこの方針に賛成します。

大阪府教育委員会の、高校1年生のうち32.6%は1日の携帯電話の使用時間が3時間以上で、多くの学生が1日に数十通ものメールをやり取りしている、との調査結果が仮に本当だとすれば、学生の「携帯依存」症を緩和させる努力を自治体が行ったとしてもあながち不合理とは言えないでしょう。

私は、携帯電話のメリットを否定するつもりはありませんが、携帯電話の普及(携帯電話自体ではありません)がもたらした以下のような明確なデメリットがあるように思います。あくまで自分自身の話ですが、

@もともとあまりよろしくない記憶力が明らかに減退(電話番号を記憶しなくなった)している気がする。

A携帯電話で遅れる旨の連絡が簡単に出来るようになったことで、遅刻が合理的かつ罪悪感の希薄な行為になった。

B人間関係の「間合い」が激変した(携帯電話を所有している以上は、余程の事情が無い限り掛かってきた電話に出なければならず、電話に出られないとなると「失礼」になり、相手に不快な思いをさせることになる)。

といったことです。@は記憶力の維持向上に自分自身が努めればよいのであくまで自助努力の問題ですが、AとBに関しては、相手があることなのでより厄介です。

話を元に戻しますが、学生の知的好奇心を涵養し、コミュニケーション能力を高め、寛容な精神を育む上では、携帯電話は無くても済む筈です。昔の学生の方が、上記の能力に関して劣っているなどというデータは無いからです。その限りでは、橋下知事の「大人になれば、いやでも携帯電話から離れられなくなる。子供のうちは携帯電話から離れて、ゆっくり自分の時間を使ってほしい」というのは説得力があるように思います。

もっとも、問題は、携帯電話から解き放たれた学生がどのような教育を個別具体に受けるか、ということに尽きるのは言うまでもありません。

余談ですが、20年以上前に開高健は、携帯電話なるものが将来出現をして、人間はいつどこにいても電話に追い回されるようになるだろう、と予見をした上で、現代におけるブルジョワジーの条件は、電話に追い回されずに済む休暇を与えられているかどうかだ、というようなことを指摘しています。利便性と豊かさが両立しないことの良い例証です。思わず、うーむと唸らされてしまいます。

写真は今夜の市川駅です。


posted by 村越ひろたみ at 17:03| 政治放談

2008年12月03日

today's ZEN moment

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ブッシュ大統領が在任期間を振り返って、イラク戦争の正当化根拠にした、フセイン政権が大量破壊兵器を隠匿していたという情報が誤りだったことを認め、その上で反省の弁を述べた、と伝えられています。

「過ちを改むるに憚ることなかれ」と言いますから、イラクの国民はおろか世界中を戦争に巻き込んで甚大な迷惑を掛けたことには到底目はつむれないとしてもそれ自体は大変結構なことだと思います。

しかしながら、この発言を受けて米国のイラク戦略の片棒を担いだ我が国はどうでしょうか。小泉前首相は「そのうち大量破壊兵器は見つかる」と強弁を繰り返していました。

ブッシュ大統領と共に去りゆく小泉氏にも過ちを認めて反省をしてもらいたいものです。

私が日々愛聴しているInterFMのGMGという番組には、“and now for today's ZEN moment”なるコーナーがあります。丁度、朝の駅頭活動が終わった頃合いにいつも流れているのですが、本日の一言がお誂え向きなので敢えて引用しておきます。

曰く「過ちを認めない者は、第二の過ちを犯している。」


posted by 村越ひろたみ at 11:37| 政治放談

2008年12月02日

日本人よ、もっと怒れ。

憲法裁判所が政権与党に違憲判決を出したことで、タイの国際空港占拠事件がようやく収束の見込みがたったようです。

この間の経済的損失を算出すると、来年度のGDPを2%押し下げるインパクトがあり、基幹産業である観光産業に凄まじい悪影響が及んでいるとのことです。

実は、守旧派のエリート集団と新興エリート集団の衝突であって国民の多くは大迷惑をしているのが内実のようでして、足止めを食った旅行客やビジネスマンの方々は非常に気の毒ですし、爆発事故で負傷者が出たことは大変悲しむべきことです。

しかし、それはさておくとして(議論のための議論のためにお許しください)、政権打倒にかける彼らの凄まじいエネルギーを我が国はすこし分けて貰っても良いのでは、と思わず考えてしまいます。タイと我が国を比べてみてどうでしょうか。米国産輸入牛肉の輸入再開に怒った韓国の20万人にものぼる政府に対する抗議デモが記憶に新しいところですが、韓国と我が国を比べてみてどうでしょうか。

あるいは、我が国の方がよほど酷い状況にあるのかもしれません。

他人に迷惑をかけない、ヴァンダリズムに走らない、との前提を確認した上でもっと日本人は怒るべきだ、といつもながらに思います。


posted by 村越ひろたみ at 22:11| 政治放談

2008年11月30日

消された年金の証拠

ようやく厚生労働省が厚生年金の算定基礎になる標準報酬月額の改ざん問題に関して、各地の社会保険事務所が組織的に犯罪行為を行っていた事実を認めました。9月の初旬に厚生労働大臣が「調査を進める」と発言してから丸々3ヶ月が経っています。

年金加入者の知らないところで、社会保険庁の職員と企業経営者が結託をして、本来受け取れるはずの年金を減額していた、という国家的社会的犯罪の実態を数ヶ月に渡って隠蔽してきたと言っても過言ではありません。

9月の終わりに、かつて某社会保険事務所に勤務していた、とある有権者からバブル崩壊直後の時期に当該社会保険事務所が組織的に改ざんを行っていたことを示す証拠を提供して頂き、様々なお話を聞かせて頂きました。この方が、私に対して当時の辞令書はおろか運転免許証まで提示して身分を明らかにされた上で当時のお話を熱心にして下さったことからして全て本物だと判断をしています。

それらは、幾つかの引継書(マニュアル)や、保険料を滞納している事業所に対して従業員の標準報酬月額を引き下げることで暗に滞納分を埋め合わせることを促す内容の書類や、極めつけは、消滅させる標準報酬月額を算出するための「らくらく更正減全喪君」なる社会保険事務所が自前で開発したと覚しきソフトの画面をプリントアウトしたものなどです。

これらの書類を見ると、役人が自分の食い扶持を確保するのに躍起になって、国民生活をまったく考えずに、極めて悪質な詐欺行為を働いていた実態がよく判ります。また、現時点で政府が全く信用出来ない存在であることを良く示していると思います。

義憤に駆られ、また、勇気を振り絞って、これらの書類を提出して下さった氏に敬意を表しつつ、民主党は長妻さんを先頭に、最後まで責任を持って不当に減額された年金支給額を徹底的に洗いだして、本来の額を支給できるように配慮しなければなりません。

社会保険庁は、全員に送られる標準報酬月額の一覧を、それぞれが確認をして改ざんを見つけ出すしかないと説明しています。改ざんの実態が膨大なものであるが故に事務的に処理しきれないのだとしても、「特別便」のように、戻ってくるのが50%程度に留まってしまうようなまずい事態にならないように特段の工夫をしなければなりません。

政府は、この問題が如何に悪性の強い犯罪行為であるか、真剣に反省をして、直ちに責任の所在を明らかにして、民主党の政策を受け入れながら問題解決を図るべきです。それが出来ないのであれば、それこそ即刻責任を取って解散をするべきでしょう。


posted by 村越ひろたみ at 19:45| 政治放談

2008年11月29日

党首討論

メディアは久しぶりに開かれた党首討論の話題で持ちきりです。

二次補正予算案を直ちに提出するか、それが出来ないのであれば解散をせよ、という我が小沢代表の主張と、二次補正は来年の通常国会で来年度予算案の前に審議をするといって譲らない麻生首相の主張がかみ合わずに議論が平行線に終わった、という見方が殆どのようです。

しかしながら、この間8ヶ月近くも党首討論が開かれていなかった訳で、久しぶりに二大政党の党首の意見を国民の前に明らかにする機会がもたれたことでだけでも意味があります。

願わくば、党首討論をきちんとルール通りに定例化した上で、勤め人の方でもテレビで観戦しやすい時間帯にセッティングするなどして、よりオープンなものにしていく工夫をして貰いたいものです。

個人的には、麻生首相がメモを片手に演説をしている光景が一番印象的でした。良くも悪くも失言ギリギリのところで奔放にコメントを出すのが麻生さんの魅力なのではないでしょうか。


posted by 村越ひろたみ at 18:20| 政治放談